伸氏:それにしてもラングドックでこれだけのクオリティのワインが造られていることに刮目させられるよ。70年代までは、南仏のワインといえば安価なテーブルワインが多い印象だったけど、志のある醸造家が高品質のワインを造り出してから、どんどん流れが変わってきた。今は掘り出し物ワインを探すのが楽しみな産地だ。
ゆう子氏:ラングドック地方はほぼ全域が地中海性気候で、夏は雨が少なく乾燥していて、冬は
比較的温暖でそこそこ湿度もある。葡萄にとってはとてもいい環境で、病気になりやすいといわれるグルナッシュでさえも、ラングドック地方では健全に育つ。葡萄が育ちやすい環境だから、多品種が作れるし、醸造家にとってチャレンジしやすい産地ともいえるね。
伸氏:なんたってフランスで最も広いワイン産地だもんな。ラングドックでこれほどのシャルドネができるなら、国際的な市場価値も上がってくるよ。ちなみにバロナークの白はいくらですか?
ピーロート:両方とも7,645円(税込)です。
伸氏:お買い得ですね。値上がりが著しいブルゴーニュよりいいかも(笑)。
ゆう子氏:それに味わいにカジュアルさがあって、守備範囲の広いワインだから、わりとどんな料理でも合わせられそう。
伸氏:確かに。ブルゴーニュの特級ワインとかだと、香りもすごいし、料理が負けちゃうことがある。ワイン単体で飲むと素晴らしいけど、ワインを食中で楽しむという意味では、それも微妙だよな。
ゆう子氏:そう。ブルゴーニュの特級ワインなんかは、いわばみんなソリストだけど、このワインはバレエの群舞のよう。舞台の後ろにいて、美しいし存在感はあるんだけれど、自己主張が強すぎない。だから個性の強い料理でも、これならたぶん合わせられる。
伸氏:その通りだね。海のものでも山のものでもいけちゃう感じ。