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「奥ゆかしさ」が感じられるシャンパーニュ

『神の雫』原作者、亜樹直こと樹林ゆう子・樹林伸両氏が
シャンパーニュの老舗メゾン、ボワゼルの魅力を描く――


1834年創業、6代にわたる家族経営の由緒正しきメゾン、ボワゼル。大部分の葡萄は、グラン・クリュおよびプルミエ・クリュのものを用い、フランスの法律で決められている最低15カ月の熟成をはるかに超える36カ月以上も熟成させて出荷されるシャンパーニュは世界でも人気だ。かたや世界的人気を誇るワイン漫画『神の雫』の原作者、亜樹直こと樹林ゆう子氏と樹林伸氏。両氏にボワゼルのロゼ、ブリュット、ジョワイヨ・ドゥ・フランス2008を試飲してもらい、その魅力について語ってもらった。

華やかな香りと繊細な泡がチャーミングなロゼ

ピーロート(P):まずはロゼ・トラディションをどうぞ。

樹林ゆう子氏(ゆ):きれい! 海辺の夕暮れみたい。

樹林伸氏(伸):意外とシャープな味わいだね。ロゼってつまみがなくても結構楽しめるから食中酒というイメージじゃない。最初に飲むか、最後に飲むかという感じ。

ゆ:ボディがある。そしてちょっと梅っぽい。暑い時にはこういう果実系の酸がうれしいね。

伸:香りが華やかで強く、説得力がある。それでいて、ロゼによくあるうっとうしい香りじゃない。

ゆ:泡が繊細なのがいいね。シャンパーニュで泡がパチパチと顔に当たるのがあるじゃない? これ炭酸水?みたいな(笑)。これはエレガントでキュート。

伸:泡がチャーミングなシャンパーニュだね。

ゆ:このロゼはおいくらくらい?

P:12,859円(税込)です。

ゆ:ロゼって何万もするのがあるけどお手頃ですね。ワインの仕事してるから、必ず自分たちで買うんですよ。
買わないとわからない。味と値段のバランスはとっても大事なこと。値段抜きには語れません。

伸:このロゼはお買い得だね。

ゆ:シャンパーニュは2人で仕事中でも飲みますが、ロゼを飲むことはない。やっぱり、パーティーの始まり感があるからかな。
ロゼ飲んじゃうと仕事終わり!みたいな(笑)。色のせいもあるけど、これから遊びますよって感じ。花火感というか、やっと仕事おわった感。

伸:くつろぎのシャンパーニュだね。人をもてなすのにもいい。色もきれいだし。



お寿司や和食と好相性、優れたバランスのブリュット

P:次はブリュット トラディションです。

ゆ:こちらはおいくらですか?

P:10,857円(税込)です。

ゆ:ロゼよりちょっとお手頃ですね。酸がきれいに乗ってて、目立つ感じ。ボディがある。泡はエレガント。柔らかくて細かくて、繊細ね。

伸:これは、ど真ん中のシャンパーニュというか……厚みがある。きれいで、細かくて長持ちする泡。とげとげしくなく、やたらドライという感じでもない。ひっかかるところがなく、スイスイ飲めちゃうね。

ゆ:ほんと、いつのまにかグラスが空になっちゃう感じ(笑)。酸味がとげとげしくなくて、シルキーだよね。

伸:これくらいのバランスだったら、料理は何でも合うんじゃないかな?

ゆ:私はよくお寿司屋さんにシャンパーニュを持って行くんだけど、このブリュットこそふさわしい。寿司って、酸と塩と甘みが全部入ってるから、バランス的には近いものがある。
このブリュットは、寿司との相性はかなりよさそう。

伸:バランスが取れているから、ほかの和食にも合わせられると思う。例えば、自宅で作る野菜や魚介の天麩羅なんかにも合いそうだし、ごま和えとか、だし巻き卵とかと合わせるのも面白い。

ゆ:ワインのイメージとしては、ロング・バケーションの初日っていう感じかしらね。明日はどんなことして遊ぼうか考えて、ちょっとほっとして、そしてワクワクするような・・・。

伸:これからリラックスしていく、まだしばらくゆっくりできる、というような。ピーカンの空より、少し陽が落ちかけてきたくらいの柔らかいタイムに合う。屋外より、屋内かな。




厳選された葡萄がきれいなアフターを実現する

ゆ:熟成は長いんですか?

P:三年以上寝かせています。

伸:それくらいだとこういう感じになるね。どれくらい長く寝てるかが大事。

ゆ:だから、余韻が長いですね。シャンパーニュは泡が柔らかいことが、いの一番に大事。

伸:余韻を楽しむのがワインだからね。シャンパーニュにもいろいろあるけど、これは葡萄をしっかりと選んでる。アフターがきれいで、本当に雑味がない。

ゆ:この値段なら、ちょっと素敵なレストランでワイン持ち寄りパーティをやる時とかにもピッタリよね。
店に持ち込む場合は、安いカジュアルワインを持っていくのはマナー違反なので、だいたい私は一万円前後のものを選んで持ち込むんだけど、このシャンパーニュならワイン好きな仲間たちも喜ぶわ。

伸:この値段は贈り物にもちょうどいいね。我々はワイン漫画の原作をやっているので、「ワインを贈るなら何がいい?」と聞かれることが多いだろ?
贈る相手のワインの経験値がわからない場合は、俺はシャンパーニュをお薦めすることにしてるんだ。

ゆ:それは正解。癖がなく値段も手頃なボワゼルはプレゼントにぴったりかも。






12年熟成のキュヴェは大きめのグラスで味わいたい

P:最後は、ジョワイヨ・ドゥ・フランス2008です。

ゆ:今度はプレステージですね。これはおいくらですか?

P:23,430円(税込)です。

伸:シャンパーニュは本来高級なものだから、それくらいしますよね。

ゆ:2008年は当たり年ですね。アミノ酸をビンビンに感じます。熟成は長いんですか?

P:12年間、澱と共に瓶内熟成しています。

伸:おお! これくらいのキュヴェは、フルートじゃなくて大きめのグラスで香りを楽しまなくちゃ。

ゆ:フルートグラスは見かけがいいけどね……私はこの前、もう使わないからフルートは処分した。泡が上がるのを眺めるにはいいけど、大きいグラスのほうが香りがわかる。

伸:以前、ドン・ペリニヨンの醸造家だったジョフロワ氏を囲んだシャンパーニュの試飲会があって、グラスが全部ボルドータイプだったんです。
あれ、これからボルドー飲むんですか?って聞いたら、何言ってるんだ、俺のシャンパーニュをフルートで飲むんじゃない、って(笑)。

ゆ:小さいグラスなんか持ってくるな、みたいな感じだったね(笑)。

伸:面白いこと言う人だと思ったけど、実際、グラスが違うとやはり香りも味わいも全然違います。大きいグラスに耐えられるシャンパーニュこそが、本物。




起承転結が楽しめるドラマティックなシャンパーニュ

ゆ:いま飲んだら、さっきより開いてる。さっきもおいしかったけど、まだ開く感じ。味わいに、リズムがあるね。ドラマティックな、起承転結みたいなものを感じる。

伸:本当だ。おいしい……素晴らしい! ミネラリティを感じるね。

ゆ:アミノ酸とミネラルがすごい。女王様っぽいシャンパーニュだね。2人の特別な記念日に開ける感じ。

伸:パートナーとゆっくり楽しむやつだね。

ゆ:変化を楽しむのが面白い。ぐいぐい飲むワインじゃないので、フレンチのコースなんかに合わせないと、ゆっくり変化が楽しめない。

伸:普通は飲み切ってから次のワインに移るじゃないですか。違うんです。例えばシャンパーニュを食前酒で開けます。
このジョワイヨなんかは、最初ちょっと飲んで、あとはクーラーに入れてもらう。
魚料理の時は白のスティルワインを飲んで、鶏肉や豚肉料理が出てきたら、もう一度、合わせて飲む。
プレステージシャンパーニュは重量感があるので、赤ワインより合うかもしれない。

ゆ:ボディがしっかりしているし、アミノ酸があるから肉にも合うね。

伸:ボディが重要。赤ワインに行ったら、全然戻れないシャンパーニュもありますが、これは戻れます。ミネラリティが、強さがあるから、食中でも十分楽しめるワイン。

ゆ:きょうのボワゼル3本は、奥ゆかしさみたいなものを感じるね。これはプレステージだから華やかですけど、奥ゆかしさはどれも共通してる。それが個性で、造り手の哲学なのだと思います。






日本人の口に合う奥ゆかしさが共通している

伸:いい意味で主張が強すぎない。

ゆ:日本人好みかも。つまり、語り尽くしたい夜に向けて開ける感じ。ワイン自体の個性は控えめだけど内に秘めてるものがある。
だから例えば、切り出しにくい話・・・愛の告白をしようとかいう時にこれを開けて、ワインを通じて思いを伝えてみるとかね。

伸:ワインが代わりに告白してくれる!

ゆ:『神の雫』でもさんざん描いてきたけど、ワインにはそれぞれが持つ世界観がある。このワインには「秘められた熱い思い」のようなイメージを感じるので、わかる人には、本当に飲んだだけで気持ちが伝わるかもしれない。

伸:2008年はシャンパーニュ地方のグレート・ビンテージだよね。
グラスの中でもこれだけ変化するわけだから、ジョワイヨはまだまだ熟成し、成長していくね。あと5〜6年待ってまた飲んでみたいな。

ゆ:年間何本くらい作っているんですか?

P:あまり多く生産していません。極めて少ないです。

伸:ミネラルって酵母から取り込むんですよね。葡萄樹の根から取り込むんじゃない。畑のミネラルを酵母が拾って、それが葡萄の皮についてから、ワインに入る。
アミノ酸もミネラルもしっかりしていて、このクオリティーのシャンパーニュだったら、2万円は妥当。

ゆ&伸:3本とも共通してるのは、控えめで、飲み飽きないということ。
小さな花のような華やかさで、奥ゆかしさの中にポテンシャルを秘めている。どのシャンパーニュも密度がぎゅっと詰まっている感じ。
この控え目さが、日本人の口に合っているのだと思います。




Profile 亜樹直(あぎただし)
漫画原作者。姉弟の共同ペンネーム。「モーニング」誌上にて『サイコドクター』『サイコドクター・楷恭介』『神の雫』『怪盗ルヴァン』執筆後、2015年『マリアージュ〜神の雫 最終章〜』連載開始。2008年、グルマン世界料理本大賞の最高位「Hall of Fame」を日本人として初めて受賞。2010年、フランス農事功労賞シュヴァリエ受勲。そのほか受賞多数。




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